二ツ井町の伝説

発行:No.404 令和5年12月25日発行(3)

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二ツ井町の伝説
天神様と八郎太郎

(1)米代川を下ってきた八郎太郎は、七座山付近の川をせき止めて湖にし、安住の地とし
た。これに怒った八座の神様たちは、どうにかして八郎太郎を別の場所へ移したいと相
談し、一番賢い七座の神、天神様にすべて任せることに。

(2)ある日、天神様は八郎太郎を山の頂上に呼んで、力比べを提案。八郎太郎は、近くに
あった大きな石を川の中ほどまで投げた。一方天神様は、八郎太郎よりもっと大きな石
を投げ、石は川を越えて飛んでいった。
   驚いた八郎太郎に天神様は「この湖は不便で窮屈そうに見える。下流の男鹿半島のほ
  うに、もっと広い場所があるから、そこに住んだらどうか」と提案した。

(3)天神様は、使いの白ネズミたちに八郎太郎がせき止めた堤防に穴をあけるよう命じた。
  たくさんの白ネズミは、神様の命令どおりに堤防に穴を開け始めた。驚いたのは富根と
  鶴形付近のネコ族。仲間を集めて白ネズミたちを捕らえ、餌食にしようと攻めてきた。
  ネコと白ネズミは三日三晩争い続けた。
これを見た神様は、ネコを一カ所に繋いでネズミに近づけないようにした。このネコ
を繋いだところが猫繋(ねこつなぎ)で、ネコの「ネ」を省いて現在の地名「小繋(こ
つなぎ)」となった。

(4)こうして白ネズミたちは安心して穴を掘り続け、ついに水を通した。見る見るうちに
大洪水となり、八郎太郎はこの水の流れに乗って米代川を下った。二ツ井町七座の名も
大洪水で八座のうち一座を流された後からの名前である。
  その後、男鹿半島近くの湖にたどり着き、住みかとした。これが八郎潟と言われている。


調べてみよう
 北東北三県にまたがる伝説、八郎太郎伝説。この壮大な伝説には諸説あり、地域によっ
てさまざまに言い伝えられています。どの地域でどのように伝説が残っているかは、さま
ざまな文献や資料から読み取ることができます。
 能代図書館、二ツ井図書館ともに八郎太郎や秋田県の伝承に関する本を所蔵しています。
これを機に、能代市に伝わる伝承を調べてみませんか。


おすすめ本紹介
八郎太郎
 文 菊池 敬一
 絵 丸木 俊
 出版社 小峰書店
 
 八郎太郎伝説を絵本で読むことができます。誰でも分かりやすく八郎太郎を学べる作品
です。


No.404 令和5年12月25日発行(3)
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