ふるさと紹介(245)

発行:No.1067 平成17年2月24日発行(8)

ふるさと紹介(245)

秋田しらかみ看護学院のページ

能代市の高齢社会について
 わたしたち秋田しらかみ看護学院は能代で唯一の看護学校であります。3年の課程を経て、国家試験の受験資格を取得し、試験に合格することで看護師の免許が得られます。今年で創立7年目を迎え、卒業した先輩たちも病院や福祉施設で活躍しています。

秋田しらかみ看護学院1年
内田なつ美・斉藤裕美子・佐藤千尋・鈴木千秋・嶋津輝美・吉岡愛

 高齢化は、全国的な課題ですが、なかでも秋田県は高齢化が進んでいます。
 そこで、市の現状と、高齢者の健康管理について調べてみました。
 また、看護士として、高齢者をどのように理解していくのか、学校での授業の様子を紹介します。

能代の人口の推移
 左のグラフは市内の高齢者(65歳以上)の移り変わりを示しています。
 現在、市の総人口53210人に対し、高齢者数は17984人で全体の27パーセントを占め高齢社会となっています。
 高齢化に伴って、老人ホームや福祉施設の増加も見られます。
〈高齢化〉
高齢化とは人口に対して高齢者の割合が7パーセント、高齢社会は14パーセント以上のことをいいます。

しらかみ1年生へのアンケート結果!

Q1実家で高齢者と同居していますか?
している54%
していない34%
未回答12%

Q2高齢者との交流度は?
よくある20%
ある20%
少しある22%
あまりない24%
全くない2%
未回答12%

Q3高齢者のイメージは?
畑仕事、のんびり暮らしている、動作が遅い、ゲートボール、バスで移動、介助が必要、かわいい、思考能力がある、痴ほう、しわ、歩く辞書、弱者、寂しそう、多趣味、のほほん、穏やか、優しい、頑固、人生の大先輩、ずっと家に居る、年金生活、知恵袋、話好き、老人ホーム、笑顔

Q4能代の高齢者の印象は?
元気がある、明るい、高齢社会で今後どうなっていくのか不安に思う、雪道での自転車は危険、デイサービスを受けている人が多い、もっと交流の場を設けてさまざまな活動を一緒に行いたい、ずっと健康であってほしい、生活習慣に気をつけて毎日いきいきと暮らしてほしい…などでした。

☆アンケートの結果から☆
 高齢者と同居している人が約半数との結果がでました。核家族化が進んでいる社会状況を考えると高い数値ではないかと思いました。しかし、高齢者との交流は思っていたより少なく、普段から高齢者と触れ合う機会がないのだと感じました。

気をつけて!高齢者のうつ病

 秋田県は、自殺率9年連続全国第1位で、特に高齢者の自殺率が高くなっています。自殺の主な理由としては、借金、孤独、ストレス、うつ病などがあります。なかでも、うつ病は、近年、増加傾向にあります。

■うつ病とは■
 自分にとって大切な人を失ったとき、職場での人間関係や夫婦間・親子間の問題が悪化したとき、ストレスや慢性的な疲労がたまり、身体のバランスを崩したときなどから発症する。
〈うつ病チェックリスト〉
(1)憂うつな気分で、悲しい気分
(2)何事にも興味がわかない
(3)寝つけない
(4)元気がない、食欲不振
(5)人に会いたくなくなる
(6)失敗から立ち直れない
(7)自殺願望が強い
(8)集中力の低下・テレビや周りに興味がなくなる
 この8つの中で心配なことがある場合は専門医への受診をおすすめします。

■うつ病防止策■
・一人で抱えこまずに、周りの人や市役所の相談窓口へ。
・うつ病は治る病気なので、早期発見治療のために医師へ相談しましょう。
・仕事や家事で休むことを忘れている人は要注意。休養も入れて、生活の改善を努めましょう。

■笑い療法について■
 笑いが免疫力を高めるということが近年実証されています。
 免疫力を測ってみるという実験での結果、笑った直後では笑う前に比べて4〜5倍も免疫力が上がります。といっても、毎日、笑い続けることは難しいし、そんなに大笑いするのは恥ずかしいという人は、くちびるの端をあげ、笑った顔をするだけで、免疫力は高まることも分かってきています。例えば、朝起きてすぐ鏡の前でまたは家族に向かってほほえむだけで健康にもなるし、家庭円満や近所付き合いにもつながります。人との付き合いの中で生まれてくる笑いのほうが効果が高いわけです。思いやりや気遣いなどを大切にし、お互い笑い合えば、みんな健康に過ごせます。笑いは人を幸せにする力を持っています。

老年看護学の授業
 わたしたちの学校の授業の中の一つに、高齢者の体験をするというものがあります。見える範囲の減少、目の病気による視覚機能の変化の体験。老人特有の難聴による耳の聞こえづらさを体験。ひじやひざを固定して、曲げ伸ばしの困難さを体験。つえを使い、体を支えて歩く体験。これらの体験器具を装着し、学院内の廊下を歩いたり、階段の昇り降りをしてみたり、私たちが普段行っている動作を行いました。今後、高齢者と接する際に、体験で学んだことを生かし、関わっていきたいと思います。
■疑似体験をして■
・普段普通に過ごしているところが、歩きづらく感じた。また、階段の昇り降りでは、足に負担がかかり一段昇るのも大変だった。
・視力の体験では、物との距離感を取るのが難しかった。

編集後記
 このように、わたしたちの住む能代も高齢化が進んできていることが分かりました。この中でわたしたち若者にできることは、身近で困っている高齢者を見かけたときに手を差し伸べるなど、たくさんあるはずです。日ごろから、地域での交流を測ることや、寝たきり予防として生きがいを見つけるなどをしていくことが大切だと考えさせられました。看護学生としてボランティアに積極的に参加するなど、能代のためにできることはしていきたいと考えています。

No.1067 平成17年2月24日発行(8)

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