ふるさと紹介(247)

発行:No.1069 平成17年3月24日発行(8)

ふるさと紹介(247)

雪国の強い味方です!
〜土床(つちゆか)体育館は冬場でも土の感触を忘れずにスポーツが楽しめます〜
市民リポーター 野村佐月、小山佳代子

 『能代市土床(つちゆか)体育館』どんなに雪が降っても室内は土のままです。外は吹雪でも能代でここだけは土の上でスポーツが楽しめます。冬の期間中は、連日予約でいっぱいです。どんな人たちが利用しているのか、取材してみました。

最初はゲートボール用として
 平成9年3月に完成した能代市土床体育館は、冬場の市民の運動不足、体力低下を解消するために建設されました。ゲートボール競技がしやすいようにと、ゲートボールコート2面が取れる大きさで設計されています。
 現在はさまざまな競技の人が利用しています。
 土床体育館で最も気を使うことは、競技がしやすいように、土の状態を管理することです。
 年2回、春と秋に土を起こし、週1回(月曜日)散水して土を固くし、できる限り土床に穴があかないように、いつでもいい状態に保つようにしています。
 さまざまな競技の利用者が増えれば増えるほど、全員が満足するような土の状態を保つことなど難しい問題もあります。

冬場は夏場に比べて利用急増
 土床体育館は雨でも雪でも、部活の練習に打ち込んだり、趣味のスポーツが楽しめるということで、大人気です。
 11月から3月までが、もっとも利用者が多く、ほとんど予約でいっぱいだそうです。
 特に冬場の利用が大きく増えるのは小中学校の野球部の利用があるからだといいます。

利用者が多いのはどの競技?
 この2月の利用者を競技別に統計してみました。
 利用者は少年野球が一番多く、小学校のスポ少、中学校の部活などが冬期間に練習を行っているそうです。
 テニスやバードゴルフなど野球以外にも幅広い年齢層で利用されていることがわかりました。

使用時間と冬期間の予約の実態について!
 使用時間は、午前9時から午後9時までの12時間、そのうち、1団体が使用できる時間は2時間までとなっています。(予約が入っていない場合は、延長できます)
 使用する日の1ケ月前から申し込みできます。朝早くから並んで予約する人もいて、電話にでることができない場合もあるそうです。
 管理員が、時々市民から、「予約が取れない、取りにくい」と言われることがあります。予約受付開始時間は午前8時30分からであり、それ以前は受け付けはしないという決まりで、常に公平に対処しているのだそうです。そのことをどうか理解してほしいそうです。
  
子どもたちの元気な声が響きます!
 取材当日、二小のスポ少野球チームが練習をしていたので、子どもたちに土床体育館についての印象を聞いてみました。
 最初に出たのは「うれしい」「楽しい」と言う元気な声でした。そして、次々に「ノックができる」「バッティングができる」「夏と一緒の練習ができる」「体育館の練習は床だから、土の感触がない、でもここだと土の感触がわかる」「雪がないので走りやすい」「おもいっきり体を動かせる」など、週1回、ここで練習できることに感謝しているようでした。
 目標は、全県優勝だそうです。土床体育館での冬場の練習成果が、春・夏の大会に結びついていけばいいと思いました。 

保護者も協力して子どもを支えています
 子どもたちが利用するために、保護者が協力してこのように冬場の練習の場を確保しているとのことです。
 さらに送り迎えなどで、陰の力で子どもを支えています。 
 筋力トレーニングやスタミナ作りなどが中心となる冬場にボールを握れる貴重な練習の場として利用させてもらえることは保護者にとってもうれしいとのことです。

取材を終えて
 場所もよくわからずに、今回初めて入りましたが、土床体育館をこんなに喜んで、たくさんの人が利用していることに驚きました。
 雪国、能代にとって土床体育館というものは、ある意味、ぜいたくな存在なのではないでしょうか。満8歳になる土床体育館は、幅広い年齢層が冬場でも土の感触を忘れずにスポーツを楽しめるということで、今後ますます利用されていくと思います。
 市の財政を考えると、私たち市民は、快適さや便利さだけを要求するのではなく、マナーを守り、思いやりを持って、今ある土床体育館を大事に使うことが必要なのではないかと思いました。

No.1069 平成17年3月24日発行(8)

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