ふるさと紹介(248)

発行:No.1070 平成17年4月14日発行(6)

ふるさと紹介(248)

高校生ボランティア!
〜みんなのためにがんばっています〜
市民リポーター 大山優、小山佳代子
 能代の高校生ボランティアの現状はどうなっているのでしょうか?
高校生がいろいろなボランティアの経験を生かし、人間として大きく成長していくことができれば!との願いを込めながら、高校生ボランティアについて調べてみました。

ボランティア活動の状況!!

歴史ある高校生ボランティア育成講座
 市中央公民館では高校生を対象に、ボランティア活動・学習を通して、社会参加の機会を提供する目的で、「高校生ボランティア育成講座」を昭和56年度から毎年開講しています。
 能代市社会福祉協議会と市教育委員会との協力で「ボランティアとは何か」という原点から学ぼうとしたことがきっかけで始まりました。
 社会情勢の変化とともに、講座の内容は年々変わっています。
 定期的に年10回、いろいろなボランティアを経験できるようにコースが設定されています。内容としては福祉的ボランティア、教育的ボランティア、施設ボランティアなどがあります。

今年も開講します「高校生ボランティア育成講座」
◎目的…ボランティア活動や学習を通してできるだけ多くの社会参加と異世代間交流を図ります。
◎対象…市内の高校生全員。
◎資格…自発的にボランティア活動をしたい人。
※参加した高校生の感想や写真をのせて、見やすいチラシやポスターづくりで随時参加者を募っています。

ボランティアで学ぶこと
この講座を体験し、「ボランティア活動に参加したのに反対にボランティアをされたようです」と話す高校生がいました。
 特に障害を持った人との関わりの中で、精一杯やること、人と向き合うことの大切さ、物を大事にすることなど、体験の中から日常生活の中にも変化がみられます。
 あいさつのしかた、親と向き合う姿勢など、親もびっくりするような変化もありました。
 自分のためでもあるというボランティアに気付かされる高校生たちも多いようです。
 高校生ボランティアから学ぶことは多く、社会人になってもその貴重な体験を日常生活に役立てて、頑張ってほしいと思いました。

ボランティア経験を生かし地域社会と関わります!
 ボランティア活動をしたことで、異世代交流の中から地域での関わりを考えるようになった高校生もいます。
 高校時代のボランティア経験が将来の進路につながり、多くの受講生たちが現在市内の施設などで働き、福祉関連の仕事で活躍しているケースもあります。
 ボランティア経験が生かされ、地域社会という場で実を結んでいるような気がします。

能代西高生が体験学習した海外ボランティア
 能代西高校では、今年度創立60周年を迎え、記念事業のひとつとして、高校生国際交流研修会に代表生徒3人を参加させました。
 この研修は、インドネシアで開催されました。東南アジアの森林の現状把握、森林資源造成活動としての植林ボランティアなどを含んでいます。全国の農業高校生や現地の高校生との交流を通じて、森林、林業に関する国際的な視野を広めることを目的としています。この研修に参加した3人の生徒に話を聞くことができました。
 インドネシア国内の森林は商業伐採や違法伐採で減少の一途をたどっています。商業伐採の主な輸出先が日本であるという現実も知らされ、何か責任を感じたと言っていました。初めての植林体験、しかも気温33℃、湿度90%の中汗だくになって頑張りました。地球温暖化防止や環境問題に目を向ける「きっかけ」になりました。
 「目の輝きが違って帰ったきた」という校長先生の言葉が印象的でした。「もっと多くの生徒に参加させる機会を与えてあげたい」とも話してくださいました。
 今まで関心のなかった、環境問題や自然の大切さ、リサイクル問題などに目を向けるようになり、素晴らしい体験をしてきました。国際的視野に立ち、この貴重な体験をこれからの人生に役立ててほしいと思いました。

取材を終えて
 ボランティア活動がもっとも盛んな時期は平成4・5年でその活動は全国的に評価されたといいます。
 その当時は、特に高校生ボランティアを経験した多くの生徒が福祉の道に進学したそうです。
 その人たちが今の能代の福祉施設に帰ってきて後輩を育てています。
 人と人とのつながりが広がっていることを実感しました。

No.1070 平成17年4月14日発行(6)

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