新「能代市」の誕生に向けて!

発行:No.1089 平成18年2月9日発行(14)

新「能代市」の誕生に向けて!
〜一体感づくりのために〜

第7回 安保鍛冶(かじ)屋
手作りならではのこだわりがあります

 二ツ井町に、代々続き、昔ながらの手打ち一本で金物づくりに励む鍛冶屋があります。
 道具類のほとんど何でも、注文に応じて作ってくれる腕のいい鍛冶屋として評判です。
 一昔前は山林業などが盛んで、鍛冶の需要が多く、14軒もの鍛冶屋がありましたが、今は1軒になってしまいました。
 鍛冶屋を営む安保新次郎さん、9代目となる誠喜さんに、最近の鍛冶事情のお話を伺いました。

 以前は、林業に使うとび・なた・まさかり、農具など、営林署作業が盛んだったこともあり、注文に応じられないほどの仕事量でした。
 それが、10年ぐらい前からは、山林業の落ち込みやいろいろな仕事の機械化が進んだことが原因で、昔から使われてきた道具類の注文は減り続けています。
 最近の主力となっているのはガスボンベを活用した薪ストーブで、冬場は、ほとんどストーブ作りに専念しています。夜遅くまで作業が続く事も少なくありません。
 また、マタギ用のナイフが全国誌で取り上げられたことがあり、県外の愛好家から注文が寄せられます。
 薪(まき)ストーブは、鉄が肉厚で保温性に優れ、空気調整弁の工夫で薪が長持ちし、すすもあまり付かないことが評価されています。
 悩みは手間がかかり過ぎることで、一つ作るのに3日もかかります。性分で仕方ないことですが、納得するまで徹底して手間をかけます。
 このごろは、原材料の鉄の値段が高く、ストーブの値段と折り合わなくなってきていることにも苦労しています。
 励みは、お客さんから寄せられる感謝の言葉です。「なたが良く切れる」「25年前に買った薪ストーブをまだ使っている」と、声を掛けられることに誇りを感じています。
 もうすぐ能代市と合併ですが、生活面では既に溶け込んでいると感じています。行政面でも一緒に仲良く「これからもよろしく」という気持ちです。お互いの思いやりが一番大切と思っています。

No.1089 平成18年2月9日発行(14)

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