循環型社会形成市民懇談会から提言書が出されました

発行:No.1091 平成18年3月9日発行(6)

循環型社会形成市民懇談会から提言書が出されました

 能代市循環型社会形成市民懇談会から、2月15日、市長に提言書が渡されました。市民の皆さんにその概要をお知らせします。
問合せ 資源リサイクル担当 電話89―2188

循環型社会形成への提言書(要約)

市民懇談会の概要
 市は、循環型社会形成に向けた方向性を市民参加型で協議する場として、産学官民を網羅し、公募委員も含めた市民懇談会を17年9月に設置しました。循環型社会に関する市民アンケートなども議題にするなど、計7回の懇談会を開催しました。
 さらに、秋田県の支援を得て先進地視察や、テーマごとの分科会も4回開きました。また、一般市民を対象としたフォーラムにおいて、懇談会で話し合われた内容を紹介し、さらに議論を深めました。
 懇談会における話し合いでは、二ツ井町との合併を控え、取り上げるテーマが広い割に日程が限られていることから、すべての問題を検討して総括的な提言書にまとめることはしないこととしました。
 本格的な議論は18年度とし、そのために今何をすべきか、市民レベルで何ができるかを中心に、委員の手で提言書をまとめました。

現今の地球環境問題と能代市循環型社会形成との相関性
 我々が現在直面している地球環境問題は、すべてにおいて我々自身が直接または間接的に問題の発生源であり、なおかつ被害者でもあります。
 これらの問題は、その問題把握のあり方や対処に大幅な転換が要求されています。つまり、自然破壊を伴ったこれまでの大量生産・大量消費といった経済・社会システムを根本から見直し、廃棄物の排出を極力抑制するシステムを作り上げることが必要です。
 地球環境問題を語る際、よく言われる言葉に「地球規模で考え、地域レベルで行動を起こす」というものがあります。地球環境問題は、地域に根ざした運動として進めなければなりません。能代市の循環型社会は経済、ごみ処理、エネルギーなどについて、基本的には地域内の循環としてとらえつつ、状況に応じて広域的展開も視野に入れた取り組みが必要です。
 また、地域環境を改善しつつ住みやすいまちづくりに連動していくような、能代市に住むことに誇りを覚える「まちづくり運動」といった生活者の視点に立った位置づけが重要だと考えます。

提言の概要
 今回は、懇談会で抽出した問題を整理し、方向付けを行った第一段階の提言であると考えています。

18年度着手・継続事業
(1)生ごみ堆肥化の事業化推進
 生ごみの堆肥化に着手することを提案します。
 ただし、事業化についてはビジネスベースなのか、または市の総合政策の一環として推進するのかなど、その方向性については今後の議論にゆだねたいと思います。
 また、具体的な施行においては、まずモデル地区を選定し小規模レベルで実験的に堆肥化を推進し、その過程から派生するであろうさまざまな問題・課題点を次年度以降の取り組みに反映すべきと考えます。
 この取り組みは、土からいただいたものを土に返すという過程をとおして、人間と自然との共生を考える上でも有意義な事業となり得ます。
 これと平行してコンポストの論議を深めることも必要です。また、廃食油回収の速やかな実施を提案します。小さなことでも、できることの積み重ねが重要です。

(2)啓発活動の推進
 循環型社会形成のため、啓発活動のよりいっそうの推進を提案します。
 循環型社会形成にはより多くの市民の参加が絶対必要です。懇談会では、従来の情報発信のあり方に多くの疑問が投げ掛けられました。
 これからは、より多くの市民で循環型社会を築いていこうというように、市民参加の意識を高めるような情報提供が大切になってきます。
 市民意識調査の結果からは、多くの市民の情報収集源は、行政発行の広報・パンフレットなどであることが判明しました。この結果を受け、市民が循環型社会形成について取材する機会を増やしたり、みんなで循環型社会を形成していこうというように、より多くの若者が興味を持つような情報発信の仕方が大事です。

(3)懇談会の継続開催
 市民懇談会の継続開催を提案します。市と別に行われている二ツ井町住民による二ツ井町への提言と、本提言とのすり合わせを行い、それを経て本格的な論議の中で将来ビジョンを作成する必要があります。
 また、今年度に引き続き、市民を交えた先進地事例の視察や研究も必要です。新市としてより具体的なビジョン策定のために継続的な話し合いと市の支援が必要です。

18年度から継続的に検討を要し、19年度以降着手する事業
(1)新エネルギー導入に向けての検討会の設置
 新エネルギー導入に向けた検討会の設置を提案します。
 地域の特性から、能代市周辺で有効活用でき得る新エネルギーは、木質バイオマス、風力発電、そして水素燃料電池であろうと議論をしています。その推進には国・県とも連携しながら討議する必要があります。

(2)環境ビジネスを基軸とした産業振興に関する検討会の設置
 環境ビジネスを基軸に据えた産業振興に関する検討会の設置を提案します。環境ビジネス産業は21世紀における最大のビジネスになり得る可能性を秘めています。
 能代には環境ビジネスの核となる基盤があります。また、世界遺産白神山地というブランドを活用した、質の高い持続的な観光産業推進の可能性も秘めています。
 しかし、拙速な、または短期的な雇用創出や産業振興を目指すのではなく、まず、市としての持続可能な社会の形成に向けた理念作りから、多くの事業者、市民を巻き込んだ地道かつ系統立った議論を深める必要があります。

最後に
 地に足の着いた循環型社会になるには10年、または、それ以上の長期的視野が必要です。この懇談会はそれに向けた力強い第一歩を踏み出したと思います。懇談会では、行政と市民が建設的な協働関係をつくり上げてきました。これからも、より多くのことをお互い学び合いながら、議論を深め、理想的な循環型社会形成のための作業を継続していくべきであると考えます。
能代市循環型社会形成市民懇談会
座長…熊谷嘉隆
職務代理者…高橋陽子
委員…
飯坂武雄・大森三四郎・金谷正子・川村四朗・菊池康紀・佐藤謙悦・菅原敏・茅野充男・能登祐子・畠山良子・増田達夫・見上淳子・宮腰慶聡・村木繁夫・山崎公久・山條広・渡辺功・渡辺千明
 提言の全文は市ホームページに掲載しています。各課情報ページの商工港湾課からアクセスしてください。
◎能代市ホームページ
http://www.city.noshiro.akita.jp/
 市は、この提言について実施できるものは、新年度の施策に反映していきたいと考えています。この提言も含め、循環型社会形成についてのご意見をお寄せください。

No.1091 平成18年3月9日発行(6)

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