○能代市保有個人情報の保護に関する安全管理措置規程
令和6年3月11日
訓令第1号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 管理体制(第4条―第8条)
第3章 教育研修(第9条)
第4章 職員の責務(第10条)
第5章 保有個人情報の取扱い(第11条―第18条)
第6章 情報システムにおける安全の確保等(第19条―第34条)
第7章 情報システム室等の安全管理(第35条・第36条)
第8章 保有個人情報の提供(第37条)
第9章 保有個人情報の取扱いの委託(第38条)
第10章 サイバーセキュリティの確保(第39条)
第11章 安全管理上の問題への対応(第40条―第42条)
第12章 監査及び点検の実施(第43条―第45条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この訓令は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)第66条第1項の規定に基づき、市の機関(議会を除く。)に係る保有個人情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置について、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この訓令において使用する用語は、個人情報保護法において使用する用語の例による。
(1) 実施機関 能代市個人情報の保護に関する法律施行条例(令和5年能代市条例第3号)第2条第2項に規定する実施機関をいう。
(2) 部等 能代市部設置条例(平成18年能代市条例第7号)第2条に規定する部、能代市地域局設置条例(令和2年能代市条例第31号)に規定する二ツ井地域局、能代市教育委員会事務局組織規則(平成18年能代市教育委員会規則第6号。以下「委員会事務局組織規則」という。)第2条に規定する部、能代市水道事業等及び下水道事業の設置等に関する条例(平成18年能代市条例第176号)第4条第2項に規定する都市整備部及び二ツ井地域局並びに会計課その他実施機関が別に定める組織をいう。
(3) 課等 能代市事務分掌規則(平成18年能代市規則第3号)第2条第1項の表中欄に掲げる課、同規則第2条の2の表左欄に掲げる課、委員会事務局組織規則第2条に規定する課及び事務所、選挙管理委員会事務局、監査委員事務局、農業委員会事務局、能代市公営企業分課規程(平成18年能代市企業管理訓令第1号)第2条第1項に規定する課、会計課並びにその他実施機関が別に定める組織をいう。
(4) 情報システム 能代市情報セキュリティ対策に関する規程(令和3年能代市訓令第1号。以下「対策規程」という。)第2条第2号に規定する情報システムをいう。
(5) 情報システム管理者 対策規程第5条第5号に規定する情報システム管理者をいう。
(適用範囲)
第3条 この訓令は、実施機関について適用する。
第2章 管理体制
(総括保護管理者)
第4条 組織を通じて保有個人情報の管理を行わせるため、総括保護管理者を1人置き、企画部長をもって充てる。
2 総括保護管理者は、実施機関の長を補佐し、実施機関における保有個人情報の管理に関する事務を総括する。
(保護管理者)
第5条 保有個人情報の適切な管理を行わせるため、保有個人情報を取り扱う課等に保護管理者を1人置き、当該課等の長又はこれに代わる者をもって充てる。
2 保護管理者は、保有個人情報を情報システムで取り扱う場合は、当該情報システムを所管する情報システム管理者と連携して、その任に当たる。
(保護担当者)
第6条 保護管理者を補佐し、課等における保有個人情報の管理に関する事務を担当させるため、保有個人情報を取り扱う課等に保護担当者を1人又は複数人置く。
2 保護担当者は、当該課等の保護管理者が指定する。
(監査責任者)
第7条 組織を通じて保有個人情報の管理の状況について監査させるため、監査責任者を1人置き、総務課長をもって充てる。
(保有個人情報の適切な管理のための委員会)
第8条 総括保護管理者は、保有個人情報の管理に係る重要事項の決定、連絡調整等を行うため必要があると認めるときは、関係職員を構成員とする委員会を設け、定期又は随時に開催する。
2 前項の委員会には、必要に応じて情報セキュリティ等について専門的な知識及び経験を有する者等の参加を求めるものとする。
第3章 教育研修
第9条 総括保護管理者は、保有個人情報の取扱いに従事する職員(派遣労働者を含む。以下同じ。)に対し、保有個人情報の取扱いについて理解を深め、個人情報の保護に関する意識の高揚を図るための啓発その他必要な教育研修を行う。
2 総括保護管理者は、保有個人情報を取り扱う情報システムの管理に関する事務に従事する職員に対し、保有個人情報の適切な管理のために、情報システムの管理、運用及びセキュリティ対策に関して必要な教育研修を行う。
3 総括保護管理者は、保護管理者及び保護担当者に対し、課等の現場における保有個人情報の適切な管理のための教育研修を定期的に実施する。
4 保護管理者は、当該課等の職員に対し、保有個人情報の適切な管理のために、総括保護管理者の実施する教育研修への参加の機会の付与等を行う。
第4章 職員の責務
第10条 職員は、個人情報保護法の趣旨にのっとり、関連する法令及びこの訓令等の定め並びに総括保護管理者、保護管理者及び保護担当者の指示に従い、保有個人情報を取り扱わなければならない。
第5章 保有個人情報の取扱い
(アクセス制限)
第11条 保護管理者は、保有個人情報にアクセスする権限(以下「アクセス権限」という。)を有する者を指定するに当たっては、その利用目的の達成のため必要最小限の職員及び業務範囲に限ったアクセス権限を設定するものとする。
2 アクセス権限を有しない職員は、保有個人情報にアクセスしてはならない。
3 職員は、アクセス権限を有する場合であっても、業務上の目的以外の目的で保有個人情報にアクセスしてはならず、アクセスは必要最小限としなければならない。
(複製等の制限)
第12条 保護管理者は、職員が業務上の目的で保有個人情報を取り扱う場合であっても、次の各号に掲げる行為については、当該保有個人情報の内容に応じて、当該行為を行うことができる場合を必要最小限に限定して行う。
(1) 保有個人情報の複製
(2) 保有個人情報の送信
(3) 保有個人情報が記録されている媒体の外部への送付又は持出し
(4) その他保有個人情報の適切な管理に支障を及ぼすおそれのある行為
2 職員は、前項各号に掲げる行為については、保護管理者の指示に従い行う。
(誤りの訂正等)
第13条 職員は、保有個人情報の内容に誤り等を発見した場合には、保護管理者の指示に従い、訂正等を行う。
(媒体の管理等)
第14条 職員は、保護管理者の指示に従い、保有個人情報が記録されている媒体を定められた場所に保管するとともに、必要があると認めるときは、耐火金庫への保管、保管場所の施錠等を行う。
2 保有個人情報が記録されている媒体(紙媒体を除く。)を外部へ送付し、又は持ち出す場合には、原則として、パスワード等(パスワード、ICカード、生体情報等をいう。以下同じ。)を使用して権限を識別する機能(以下「認証機能」という。)の設定その他のアクセス制御のために必要な措置を講ずる。
(誤送付等の防止)
第15条 職員は、保有個人情報を含む電磁的記録又は媒体の誤送信若しくは誤送付、誤交付又はウェブサイト等への誤掲載を防止するため、個別の事務又は事業において取り扱う個人情報の内容に応じ、複数の職員による確認、チェックリストの活用その他の必要な措置を講ずる。
(廃棄等)
第16条 職員は、保有個人情報又は保有個人情報が記録されている媒体(端末及びサーバに内蔵されているものを含む。)が不要となった場合には、保護管理者の指示に従い、当該保有個人情報の復元又は判読が不可能な方法により、当該保有個人情報の消去又は当該媒体の廃棄を行う。
2 保有個人情報の消去又は保有個人情報が記録されている媒体の廃棄を委託する場合(2以上の段階にわたり委託する場合を含む。)には、必要に応じて職員が消去又は廃棄に立ち会う方法、写真等を付した消去又は廃棄を証明する書類を受け取る方法等により、委託先において消去又は廃棄が確実に行われていることを確認する。
(保有個人情報の取扱状況の記録)
第17条 保護管理者は、保有個人情報の内容に応じて、台帳等を整備し、当該保有個人情報の利用及び保管等の取扱いの状況について記録する。
(外的環境の把握)
第18条 保護管理者は、保有個人情報が外国において取り扱われる場合(利用するクラウドサービスの提供事業者が外国に所在する場合、保有個人情報を保存するサーバが外国に所在する場合等をいう。)は、当該外国の個人情報の保護に関する制度等を把握した上で、保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
第6章 情報システムにおける安全の確保等
(アクセス制御)
第19条 保護管理者は、保有個人情報(情報システムで取り扱うものに限る。第32条を除き、以下この章において同じ。)の内容に応じて、情報システム管理者に対して、認証機能の設定その他のアクセス制御の実施を依頼する。
2 前項の依頼を受けた情報システム管理者は、パスワード等の管理に関する定めを整備(その定期又は随時の見直しを含む。)するとともに、パスワード等の読取防止等を行うために必要な措置を講ずる。
(アクセス記録)
第20条 保護管理者は、保有個人情報の内容に応じて、情報システム管理者に対して、当該保有個人情報へのアクセス状況を記録し、その記録(以下「アクセス記録」という。)を一定の期間保存し、及びアクセス記録を提供することを依頼する。
2 前項の依頼を受けた情報システム管理者は、保護管理者に対し、当該アクセス記録を提供する。
3 保護管理者は、提供を受けたアクセス記録を定期的に分析する。
4 保護管理者は、情報システム管理者に対して、アクセス記録の改ざん、窃取又は不正な消去の防止が適切になされているか確認する。
(アクセス状況の監視)
第21条 保護管理者は、保有個人情報の内容及び量に応じて、当該保有個人情報への不適切なアクセスの監視のため、情報システム管理者に対して、保有個人情報を含み、又はそのおそれがある一定量以上の情報が情報システムからダウンロードされた場合に警告表示がなされる機能の設定、当該設定の定期的確認等を依頼する。
2 前項の依頼を受けた情報システム管理者は、依頼内容に基づく機能の設定、当該設定の定期的確認等を行う。
(管理者権限の設定)
第22条 保護管理者は、保有個人情報の内容に応じて、情報システムの管理者権限の特権を不正に窃取された際の被害の最小化及び情報システムの内部からの不正操作等の防止のため、情報システム管理者に対して、当該特権を最小限とする等の措置を依頼する。
2 前項の依頼を受けた情報システム管理者は、依頼内容に基づく管理者権限の特権の設定等を行う。
(外部からの不正アクセスの防止)
第23条 保護管理者は、保有個人情報を取り扱う情報システムへの外部からの不正アクセスを防止するため、情報システム管理者に対して、ファイアウォールの設定による経路制御等を依頼する。
2 前項の依頼を受けた情報システム管理者は、依頼内容に基づく経路制御等を行う。
(不正プログラムによる漏えい等の防止)
第24条 保護管理者は、不正プログラムによる保有個人情報の漏えい等の防止のため、情報システム管理者に対して、ソフトウェアに関する公開された脆弱性の解消、把握された不正プログラムの感染防止等に必要な措置(導入したソフトウェアを常に最新の状態に保つことを含む。)の実施を依頼する。
2 前項の依頼を受けた情報システム管理者は、依頼内容に基づく脆弱性の解消、不正プログラムの感染防止等を行う。
(情報システムにおける保有個人情報の処理)
第25条 職員は、保有個人情報について、一時的に加工等の処理を行うため複製等を行う場合には、その対象を必要最小限に限るものとし、当該処理の終了後は不要となった情報を速やかに消去する。
2 保護管理者は、当該保有個人情報の内容に応じて、随時、消去等の実施状況を重点的に確認する。
(暗号化)
第26条 保護管理者は、保有個人情報の内容に応じて、暗号化のために必要な措置を講ずる。
2 職員は、前項に規定する措置を踏まえ、その処理する保有個人情報について、当該保有個人情報の内容に応じて、適切に暗号化を行う。
(記録機能を有する機器及び媒体の接続制限)
第27条 保護管理者は、保有個人情報の内容に応じて、当該保有個人情報の漏えい等の防止のため、スマートフォン、USBメモリ等の記録機能を有する機器及び媒体の情報システム端末等への接続の制限(当該機器の更新への対応を含む。)等の措置を講ずる。この場合において、保護管理者が必要と認めるときは、情報システム管理者に対して情報システムへの接続制限に係る設定等を依頼する。
2 前項の依頼を受けた情報システム管理者は、依頼内容に基づく接続制限に係る設定等を行う。
(端末の限定)
第28条 保護管理者は、保有個人情報の内容に応じて、その処理を行う端末を限定するための措置を講ずる。この場合において、保護管理者が必要と認めるときは、情報システム管理者に対して端末へのソフトウェアの導入、端末の認証設定等を依頼する。
2 前項の依頼を受けた情報システム管理者は、依頼内容に基づく導入、認証設定等を行う。
(端末の盗難防止等)
第29条 保護管理者は、端末の盗難又は紛失の防止のため、当該課等の職員に端末の固定、執務室の施錠等を行わせる。
(端末の外部への持出し等)
第30条 職員は、保護管理者が必要と認める場合を除き、端末を外部へ持ち出し、又は外部から持ち込んではならない。
(第三者の閲覧防止)
第31条 職員は、端末の使用に当たっては、第三者による保有個人情報の閲覧を防止するため、使用状況等に応じて情報システムからのログオフ等を徹底する。
(入力情報の照合等)
第32条 職員は、情報システムで取り扱う保有個人情報の重要度に応じて、入力原票と入力内容との照合、処理前後の当該保有個人情報の内容の確認、既存の保有個人情報との照合等を行う。
(バックアップ)
第33条 保護管理者は、保有個人情報の重要度に応じて、バックアップを作成し、分散保管する。
(情報システム設計書等の管理)
第34条 保護管理者は、保有個人情報に係る情報システムの設計書、構成図等の文書について外部に知られることがないよう、定められた場所で施錠の上保管し、複製を制限し、当該文書を廃棄する場合には復元又は判読が不可能な方法で廃棄する。
第7章 情報システム室等の安全管理
(入退管理)
第35条 保護管理者は、保有個人情報を取り扱う基幹的なサーバ等の機器を設置する室その他の区域(以下「情報システム室等」という。)に立ち入る権限を有する者を定めるとともに、用件の確認、入退の記録、部外者についての識別化、部外者が立ち入る場合の職員の立会い若しくは監視設備による監視、外部電磁的記録媒体等の持込み、利用及び持出しの制限又は検査等の措置を講ずる。
2 保有個人情報を記録する媒体を保管するための施設を設けている場合においても、必要があると認めるときは、前項と同様の措置を講ずる。
3 保護管理者は、必要があると認めるときは、情報システム室等の出入口の特定化による入退の管理の容易化、所在表示の制限等の措置を講ずる。
4 保護管理者は、情報システム室等及び保管するための施設の入退の管理について、必要があると認めるときは、立入りに係る認証機能を設定し、及びパスワード等の管理に関する定めの整備(その定期又は随時の見直しを含む。)、パスワード等の読取防止等を行うために必要な措置を講ずる。
5 保護管理者は、前各項の措置を講ずる場合において必要と認めるときは、情報システム管理者に対して必要に応じた対応等を依頼するものとし、依頼を受けた情報システム管理者は、依頼内容に基づく対応等を行う。
(情報システム室等の管理)
第36条 保護管理者は、外部からの不正な侵入に備え、情報システム室等に施錠装置、警報装置及び監視設備の設置等の措置を講ずる。
2 保護管理者は、災害等に備え、情報システム室等に、耐震、防火、防煙、防水等の必要な措置を講ずるとともに、サーバ等の機器の予備電源の確保、配線の損傷防止等の措置を講ずる。
3 保護管理者は、前2項の措置を講ずる場合において必要と認めるときは、情報システム管理者に対して必要に応じた対応等を依頼するものとし、依頼を受けた情報システム管理者は、依頼内容に基づく対応等を行う。
第8章 保有個人情報の提供
(保有個人情報の提供)
第37条 保護管理者は、個人情報保護法第69条第2項第3号及び第4号の規定に基づき個人情報保護法第2条第11項に規定する行政機関等(以下「行政機関等」という。)以外の者に保有個人情報を提供する場合には、個人情報保護法第70条の規定に基づき、原則として、提供先における利用目的、利用する業務の根拠法令、利用する記録範囲及び記録項目、利用形態等について提供先との間で書面(電磁的記録を含む。)を取り交わす。
2 前項の場合において、保護管理者は、個人情報保護法第70条の規定に基づき、安全確保の措置を要求するとともに、必要があると認めるときは、提供前又は随時に実地の調査等を行い、措置状況を確認してその結果を記録するとともに、改善要求等の措置を講ずる。
3 保護管理者は、個人情報保護法第69条第2項第3号の規定に基づき他の行政機関等に保有個人情報を提供する場合において、必要があると認めるときは、個人情報保護法第70条の規定に基づき、前2項に規定する措置を講ずる。
4 保護管理者は、保有個人情報を提供する場合には、漏えい等による被害発生のリスクを低減する観点から、提供先の利用目的、保有個人情報の内容を考慮し、必要に応じて、特定の個人を識別することができる記載の全部又は一部を削除し、又は別の記号等に置き換える等の措置を講ずる。
第9章 保有個人情報の取扱いの委託
(業務の委託等)
第38条 保護管理者は、保有個人情報の取扱いに係る業務を外部に委託する場合には、個人情報の適切な管理を行う能力を有しない者を選定することがないよう、必要な措置を講ずるものとし、当該委託の契約においては、契約書に次に掲げる事項を明記するとともに、委託先における責任者及び業務従事者の管理体制及び実施体制並びに個人情報の管理の状況についての検査に関する事項その他の必要な事項について、書面で確認する。
(1) 個人情報に関する秘密保持、利用目的以外の目的のための利用の禁止等の義務に関する事項
(2) 再委託(再委託先が委託先の子会社(会社法(平成17年法律第86号)第2条第3号に規定する子会社をいう。)である場合を含む。以下この条において同じ。)の制限、事前承認その他の再委託に係る条件に関する事項
(3) 個人情報の複製等の制限に関する事項
(4) 個人情報の安全管理措置に関する事項
(5) 個人情報の漏えい等の事案の発生時における対応に関する事項
(6) 委託終了時における個人情報の消去及び媒体の返却に関する事項
(7) 法令及び契約に違反した場合における契約解除、損害賠償責任その他必要な事項
(8) 契約内容の遵守状況についての定期的報告に関する事項及び委託先における委託された個人情報の取扱状況を把握するための監査等に関する事項(再委託先の監査等に関する事項を含む。)
2 委託により取り扱わせる保有個人情報の範囲は、委託する業務の内容に照らし、必要最小限にしなければならない。
3 保護管理者は、保有個人情報の取扱いに係る業務を外部に委託した場合には、委託業務に係る保有個人情報の内容、量等に応じて、作業の管理体制及び実施体制並びに個人情報の管理の状況について、少なくとも年1回以上、原則として実地検査により確認する。
5 前項の確認は、再委託先が保有個人情報の取扱いに係る業務の再々委託を行う場合以降についてもまた、同様とする。
6 保護管理者は、保有個人情報の取扱いに係る業務を派遣労働者によって行わせる場合には、労働者派遣契約書に秘密保持義務等個人情報の取扱いに関する事項を明記する。
7 保護管理者は、業務を委託する場合には、漏えい等による被害発生のリスクを低減する観点から、委託する業務の内容、保有個人情報の内容を考慮し、必要に応じて、特定の個人を識別することができる記載の全部又は一部を削除し、又は別の記号等に置き換える等の措置を講ずる。
第10章 サイバーセキュリティの確保
(サイバーセキュリティに関する対策の基準等)
第39条 保護管理者は、保有個人情報を取り扱い、又は情報システムを構築し、若しくは利用するに当たっては、サイバーセキュリティ基本法(平成26年法律第104号)第26条第1項第2号に規定するサイバーセキュリティに関する対策の基準等を参考として、取り扱う保有個人情報の性質等に照らして適正なサイバーセキュリティの水準を確保する。
第11章 安全管理上の問題への対応
(事案の報告及び再発防止措置)
第40条 職員は、保有個人情報の漏えい等安全管理の上で問題となる事案又は問題となる事案の発生のおそれ(以下「事案等」という。)を認識した場合は、直ちに当該保有個人情報を管理する保護管理者に報告する。
2 保護管理者は、前項の規定により報告を受けた場合は、被害の拡大防止又は復旧等のために必要な措置を速やかに講ずる。この場合において、外部からの不正アクセス又は不正プログラムの感染が疑われる端末のLANケーブルを抜く等、被害拡大防止のため直ちに行い得る措置があるときは、直ちに当該措置(職員に行わせることを含む。)を行うものとする。
3 保護管理者は、事案等の発生した経緯、被害状況等を調査し、総括保護管理者に報告する。ただし、当該事案等が特に重大と認めるときは、直ちに総括保護管理者に当該事案等の内容等について報告する。
5 保護管理者は、事案等が発生した原因を分析し、再発防止のために必要な措置を講ずるとともに、同種の業務を実施している部等に再発防止措置を共有する。
(法に基づく報告及び通知)
第41条 保護管理者は、保有個人情報の漏えい等が生じた場合であって、個人情報保護法第68条第1項の規定による個人情報保護委員会への報告及び同条第2項の規定による本人への通知を要する場合は、前条に規定する措置と並行して、速やかに個人情報の保護に関する法律施行規則(平成28年個人情報保護委員会規則第3号)に基づく手続を行うとともに、個人情報保護委員会による事案等の把握等に協力する。
(公表等)
第42条 保護管理者は、保有個人情報の漏えい等が生じた場合は、事案等の内容、影響等に応じて、事実関係及び再発防止策の公表、当該事案に係る保有個人情報の本人への対応、個人情報保護委員会への情報提供その他の必要な措置を講ずる。
第12章 監査及び点検の実施
(点検)
第44条 保護管理者は、課等における保有個人情報の記録媒体、処理経路、保管方法等について、定期又は必要に応じ随時に点検を行い、必要があると認めるときは、その結果を総括保護管理者に報告する。
(評価及び見直し)
第45条 総括保護管理者及び保護管理者は、監査又は点検の結果等を踏まえ、実効性等の観点から保有個人情報の適切な管理のための措置について評価し、必要があると認めるときは、その見直し等の措置を講ずる。
附則
この訓令は、令和6年3月11日から施行する。