巻頭特集「能代の色とりどりの魅力 まぁるいクッキーに込めて」(2025.6)

巻頭特集「能代の色とりどりの魅力 まぁるいクッキーに込めて」

 ピンクに黄色に緑色。彩り豊かでかわいらしい形が特徴の新スイーツ。地域おこし協力隊の長嶺薫さんが、バスケの街のしろを盛り上げるお土産を目指して制作中のスノーボールクッキーです。お土産のイメージが形になるまでは試行錯誤だったそうです。誕生秘話や味のこだわり、商品に込めた思いを聞きました。

 長嶺さんが、活動の要として取り組んでいるのが、バスケをモチーフとしたお土産作りです。「着任当初、バスケで能代を盛り上げるために何ができるのかとても悩みました。そこで思いついたのが、新たなお土産作り。バスケをモチーフにしたお土産をきっかけに能代に来る人が増えれば、地域の活性化につながると考えました」(長嶺さん)。
 初めに取り組んだのが、商品作りと委託販売を行う店舗の確保でした。バスケの街づくり市民チャレンジ事業補助金の交付が決定した昨年12月に開始。今年の3月までに一定の成果を報告しなければならず、スケジュールはかなりタイトだったといいます。「3月の報告までに『どうしたら形にできるか』を常に考え、話し合いを重ねてとにかく実行しました」というのは、お土産作りの中心メンバーとして長嶺さんをサポートする、市民活動支援センターの竹内優理奈さん。「初チャレンジの商品企画で時間も限られている中、クッキーという形になるまでに長嶺さんは本当に頑張っていたなと、いつも横で見ていて思っていました」と振り返ります。

最初の試作品は別のスイーツ
 今回、商品作りと委託販売を請け負うことになったのがcafe&asobiba4-6です。長嶺さんが大好きなお店の一つで、店長の湊光代さんの作るスイーツの大ファンだそうです。依頼を受けた湊さんは「店でもいろいろなお土産物を置いていますが、いつか自分で作ったものを置きたいと思っていたので、とてもいい話だと思いました」と快諾。今年1月、試作品作りがいよいよ始まりました。
 まずは、能代バスケミュージアムの来館者の年齢や性別を分析し、商品のターゲットに絞ったのは20~40代の女性。写真映えして、思わず手に取りたくなるスイーツを商品コンセプトに掲げました。
 2月に試食会を実施。最初の試作品は、地元産サツマイモやナッツを使った月餅だったそうです。「表面にいろいろな模様を施せる点で試作したものの『買いたい』と思えるような見た目の華やかさが足りなかった」と湊さん。
 そこで、華やかな見た目を求めて案に上がったのが、バスケットボールのような丸い形のクッキーでした。数日後には試作品が完成。カフェの仕入れでつながりのある地元店のさまざまな食材を使用し、生地だけでなく周りにまぶす粉糖にも加えて、カラフルな見た目を実現しました。
パッケージを考えて商品化へ
 3月には、マルシェイベント「#Ohanaフェス」で一般の方向けの試食を実施。先日の能代カップでは、試作品の中から厳選し、檜山茶、ハマナス、味噌、ローズマリーを初めて販売しました。
 約3カ月で試作から販売まで行えたことに湊さんは「店の営業やギフト商品の用意などと重なって、正直時間的には厳しかった。でも長嶺さんが、大変な中でも試作品をいつも喜んで食べてくれた姿に救われました」とにっこり。竹内さんは「デザイナーさんが先日決まりどんなパッケージになるのかとても楽しみ。大変なことはまだまだあると思うけれど、バスケでいうリバウンドを取って長嶺さんがいいシュートを打てるようにこれからもサポートしていきます」と話します。
 能代カップで販売した4種類に能代産大豆のきな粉を加えた5種類の商品化に向けて、今後はパッケージデザイン製作に力を入れていくといいます。長嶺さんは「デザインや包装の仕方、販売価格など考えることはまだまだたくさんあるけれど、今はわくわくした気持ちでいっぱい。たくさんの人に関わってもらったので絶対に成功させたい」と力強く意気込みを話します。