能代市史 通史編Ⅰ 原始・古代・中世

 A5判 688頁能代市通史編 1 原始 古代 中世  
 写真・図版234点
 表28点 
 定価3,000円(税別)

 写真や図版がたくさん盛り込まれ、それぞれの時代がどんな様子で
あったか、先人がどんな生活をしていたか。この本が教えてくれます。

原始
 浅内の此掛沢遺跡の調査から能代には約3万年前から人が
住んでいたことが分かります。彼らは石器を使い狩猟採集生活
をしていました。 縄文時代になり土器の利用、食料の加工や貯
蔵の知恵によって 生活が豊かになり集団の規模が大きくなって
杉沢台遺跡のような大形住居がつくられてきます。

第一編 明けゆく能代

 第一章 旧石器時代
  第一節 自然環境と遺跡
  第二節 此掛沢遺跡を読み解く
  第三節 遊動生活と遺跡

 第二章 縄文時代
  第一節 自然環境の変化と食料事情
  第二節 縄文人の道具と生業
  第三節 縄文土器の世界
  第四節 集落と縄文社会
  第五節 複雑化する縄文社会

 第三章 弥生・続縄文・古墳時代
  第一節 弥生文化の北上
  第二節 米代川下流域の文化

(特論1)杉沢台遺跡のロングハウス
 一、杉沢台遺跡の考古学史上の意義
 二、ロングハウスの機能をめぐる論争
 三、縄文時代のロングハウスの実像
 四、ロングハウスの住まい方と役割

古代
 中央政権による日本の統一が北東北までおよんできました。初めは蝦夷として異民族扱いであった地域に武力による統一を進めてきたので、蝦夷も対抗していました。争いを続けているうち中央政権も考え方をかえ蝦夷を慰撫するようになりました。もともと蝦夷も力に対抗するだけではなく中央政権には理解を示していました。やがて共生へ進み、中央政権の異民族視から対等な立場へとの認識が生まれてきた時期です。

第二編 古代国家と能代

 第一章 能代の登場
  第一節 続縄文文化以降の社会と文化
  第二節 阿倍比羅夫の北征と能代

 第二章 出羽国の成立・展開と能代
  第一節 出羽国の成立
  第二節 雄勝城と秋田城
  第三節 元慶の乱

 第三章 北方社会の変容と前九年・後三年合戦
  第一節 北方政策の変質と城柵の廃絶
  第二節 前九年・後三年合戦と清原氏

(特論2) 陸奥国からみた出羽・能代 -七・八世紀を中心に-
 一、阿倍比羅夫の北征と陸奥
 二、奥羽連絡路の開設と陸奥国
 三、藤原仲麻呂政権下の雄勝城造営と陸奥国
 四、三十八年戦争における出羽国

中世
 鎌倉幕府から蝦夷管領に任じられていた安藤氏は流されてきた罪人や蝦夷地の交易の監視をしていましたが、やがて商人の統轄をして富を蓄積するようになりました。それに対し周辺豪族や一族内で権益を奪おうと争いが始まり、津軽での権益を失い十三湊に移っていく一派が安東氏となりました。しかし湊としての限界や南部氏の侵攻で檜山へと移り住みました。ここで安東氏は蝦夷地中心の経済から畿内中心の経済へと移行していきます。そして中央政権とは手を結び、鹿角・比内・由利・仙北・庄内へと活動して、遂に豊臣政権に戦国大名として認められます。

第三編 中世社会の展開

 第一章 中世への序幕
  第一節 奥州藤原氏の滅亡
  第二節 大河兼任の乱
  第三節 鎌倉御家人の秋田入部
  第四節 北奥の政治と社会

 第二章 胎動する北奥羽の世界
  第一節 秋田安東氏の成立
  第二節 南北朝期の社会と宗教
  第三節 十三湊と蝦夷ヵ嶋

 第三章 安東氏の覇権を追う
  第一節 政季と檜山城
  第二節 檜山安東氏の軌跡
  第三節 中央に向かう安東氏

 第四章 元亀・天正の戦い
  第一節 群雄の叢生
  第二節 湊・檜山合戦
  第三節 實季上洛・安堵

 第五章 近世的秩序への移行
  第一節 知行制度と年貢負担
  第二節 人の交流と物の流通
  第三節 秋田領内の財政経済

 第六章 戦国社会の終章
  第一節 徳川社会への転換
  第二節 實季の系図作成
  第三節 秋田家の寺院